うすば蛉蜻日記

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4月15日(木) 腹の虫U 4月20日(火) おとこ教室?
4月14日(水) 腹の虫 4月19日(月) きれいなお母さん
4月13日(火) 親の血 4月18日(日) 間違い電話
4月12日(月) 教材売りこみ撃退法 4月17日(土)  だから何なの!?
4月11日(日) 嗅覚4月16日(金)  笑うせーるすまん

4月22日(木) テレビジョン

今、うちのタロとジロはポケモンに夢中である。今日もテレビの前に並んでラプラスがどうの、と話しながら見ていた。
どうでもいいが、ポケモンに出てくる、ムサシとコジロウは、タイムボカンシリーズに出てきたドロンジョたちの焼き直しのような気がするのだが。
我が家には、テレビが2台あった時がある。一台は10インチほどの小さなテレビで、台所に置いていた。食事をしながら見るのはいつもそのテレビの方だった。ある日、ポケモンを見ていると、画面の色が赤になったまま直らなくなったしまった。前から調子が悪かったのだが、それほど使っていなかったので放っておいたのだ。子供たちはこんなボロテレビではよく見えないなどとブーブー文句を言いながら見ていた。
翌日の新聞を見て驚いた。『ポケモンで入院騒動!』
そう、ポケモンを見ていて気分が悪くなった子供たちが入院したりした騒ぎのあった時だ。
我が家では、あの時パッパと目まぐるしく変わる場面を見ながら「すごいねえ。でもぜんぶ真っ赤だねえ」などと、呑気な会話をしていた。
私はタロとジロに向かって言ったものだ。
「こういうテレビがあったお陰で、君たちは具合が悪くならずに済んだのだぞ〜!」


4月20日(火) おとこ教室? 日付で選ぶ

今朝、テーブルの上にある新聞折り込みの広告を見てびっくり。
「胸やせ〜!!?」
エステティックサロンの広告だった。そうか、今の若い娘さんは巨乳だとか爆乳だとか、やたらと胸のデカい人が多くなっているから、ついに胸やせなどというエステが出てきたのか。私も遠い昔、思春期の頃には胸が急激に発達して友達からは「ホルスタインちゃん」などと云うあだ名を付けられてしまい、そう呼ばれるたびに胸を削りたいと思ったものだった。
そもそも昔の日本製のブラジャーはAカップとBカップくらいしかなかった(私が知らないだけかも知れない)。恥じらいの乙女だった私はBカップのブラを買うことさえ、とてもじゃないが恥ずかしくてできなかった。それに昔は胸のデカい女はオツムが弱いなどと、平気で云われていた。人々もそれを信じ込んでいたフシがある。だから、胸が大きいこと自体が悪いことのように思えたのだった。
それにしても、時代は変わったもんだと、その広告を手にとってよくよく眺めてみると、
「脚やせ」だった・・・・。
そりゃそうだ、胸やせなんてあるわけないか〜 今の若い人たちは、デカい胸をゆっさ、ゆっさと誇らしげに揺すって歩いているではないか。私のようにデカい胸を隠すようにして歩いて、猫背になるなんて事をしそうな人はいない。いい世の中になったものである。
私は、こういう勘違いを時たまやってしまう。人に話をする前でよかったと、今はもうAカップの胸を撫で下ろす。

以前にも、駅のホームのベンチにあった広告を見て、目を丸くしたことがあった。
おとこ教室。こ、これは一体、何をする教室なんだろう。男を対象にしているのか、女を対象にしているのかによって、内容が違ってくるぞ。男について教えてくれる教室なのだろうか。肝心の教室の内容はどこにも書いてないではないか。とひとり思案していたのだが、それにしても変な広告だと思い、一文字ずつよ〜く見てみると「おこと教室」だった。
お琴ならお琴と、漢字で書けばいいものを。
以前は度々その広告を見る機会があったのだが、何度見ても「おとこ教室」に見えてしまったのだった。それはオトコを意識し過ぎるからだって〜?ちなみに「おとこ教室」もとい「おこと教室」の看板は大宮以北の高崎線ホームで見ることができる。(現在、あるのかは判りません)


4月19日(月) きれいなお母さん 日付で選ぶ

今朝寝坊したのは白髪抜きを1時間もやっていて、寝るのが夜中になってしまったからなの。と、しょうもない言い訳をしても、息子たちはふ〜ん、じゃもう少し寝ていればと云うだけである。友達に云わせるとそれは男の子だからなんだそうで、女の子の場合は母親に対する目がとても厳しいらしい。寝坊なんてもっての外、自分が起きないのを棚に上げて、色々と母親に向かって生意気な口をきくらしい。そんな話を聞くと、つくづくウチは男の子で良かったと思うのだった。
男の子は(特に幼い時は)母親に対して寛大である。そして、母親にはいつまでも若く、きれいでいて欲しいと思うものらしい。出掛ける時に私がすっぴんで出ようとすると、タロ、ジロ揃ってお化粧くらいしたら?などと云う。仕方なく化粧をして、少し前に流行ったCMの真似をして、にっと笑いながら息子たちに云う。
「きれいなお母さんは好きですか〜?」

息子たちが朝食を食べている脇に寝転がって、白髪が増えたのは、やっぱり離婚してから色々苦労したからかなぁ・・・。 と更に同情を買おうと思ってぶつぶつ云っていると
「いや、それは単なる年のせい」とタロが呟いた。
あまり調子に乗るとしっぺ返しがくるのである。


4月18日(日) 間違い電話  日付で選ぶ

今日は母方の祖父母と昨年亡くなった伯母の墓参りに行った。墓地は巣鴨のとげぬき地蔵さんの近くにある。
墓前に花を供え、線香をあげると、やおらしゃがんで長々と手を合わせた。
・・・おじいちゃん、おばあちゃん、それからバーベ(伯母の愛称)お久し振りです。それで頼みなんだけど、私、県営団地に申し込んだの。うちの家計もイロイロと大変なものですから、当たれば家賃が今の半額なのよ。だからね、こんな時だけ頼み事なんかしてナンなんですけど・・・お願い!当たるように力添えをどうかひとつ、お願いします〜。などと手前勝手なお願いをして帰って来た。

ところで間違い電話はどこの家にも一度や二度は掛かってくると思うが、間違えても「すみません」とひとこと云ってくれれば、こちらとしてもさほど腹を立てることもないのだが、中には「はい」と出たとたんにがちゃん!と切る失礼なやつもいて、この腹の虫の怒りをどこに持って行けばいいのだ!と消化不良を起こす事もある。
我が家には以前、こんな電話が掛かってきたことがある。
ぷるるるる・・・
「はい・・・」我が家は女子供しかいないため、電話に出る時は名乗らないようにしている。
「○×さん?私、※※ですけどね」中年の女性の声。
「あ、いえ、うちは違いますけど」
「えっ?じゃ、あなた誰?」
「えっ!?・・・YXZですけど」
「あら、○×さんじゃないの。すみませんね」電話は切れた。
あなた誰?と云われて、とっさに名乗ってしまったけれど、間違い電話をしてきて、あなた誰?もないだろうが。聞かれて答えてしまった自分のアホさ加減に私は憮然として電話を切ったのだった。


4月17日(土) だから何なの!? 日付で選ぶ

久しぶりで風呂上りにビールを飲む。手が動かなくならないうちに(頭も同様に)日記を書いておこう。
昨日来たセールスマン・青ジャン氏の続編を書こうと思う。彼はセールスが初めてという割に本当によく喋る人だった。その話ぶりと話の内容に呆気に取られてしまった。(会話中の「ふひゃ」は彼の笑い声である)

「いや〜若いですよね。ふひゃ、うちの女房は昭和41年生まれですけど、それよりはずっと若いですよね」ふ〜ン。で、私の年を云えと?
「いえ、あなたの奥さんは私の妹と同じくらいですよ」すると大袈裟に驚いて見せる。
「え〜!さすがだな〜、うちの女房なんてね、ふひゃ。田舎ものですからねぇ、いや〜やっぱりこっちの人は違うなあ」な〜にが、さすがなのか判らん。田舎とどういう関係があるのか。第一、この辺りも埼玉の外れで充分に田舎だ。秩父の山がすぐ側にあるのだから。
「私はね、ふひゃ。昭和36年生まれの丑年なんですよう」だから、何だと云うのだ。そんなに人の年が聞きたいのか。
「あら、そうですか。私より学年で云うとひとつ下じゃないですか?私は1月生まれですから!」年を隠すつもりもないが何で見ず知らずの初対面の男に年を教えなければならないんだ。
「ひえ〜、ホントですか〜、いや〜私なんて田舎ものですから〜」それは判ったっつうの!
「ふひゃ。だけど、アレですよね。何か普通の人と顔が違いますよね」
「私はバケモノか何かに見えますか!!」
「いや、そうじゃなくて、ふひゃ。あの、若い頃の石川さゆりに似ているって言われません?」ただの一度だって云われたことなどない。
最後には長野にスキーに来るならうちの実家へ遊びに来てくださいと彼は云って帰って行った。

若い、若いと云えばオバハンは喜ぶと思っているのかね。私は自慢するわけではないが、若く見えるとよく云われる。そういう事は若い人には決して云わない言葉ではないか。どっちにしろオバハンなことには変わりない。私は30過ぎてから若く見られるようになった。今、多少若く見られるのは、元を取っているようなものだと思っている。
小学校の高学年の時には、高校生と間違えられ、姉と歩いているといつも同級生だと思われた。二十歳の時には美容院の店員に「28歳くらいですか?」と云われた。大抵、美容院の人と云うのはお世辞にでもお客を若く云うものである。それで28歳と云われたのだ。30過ぎに見られていたのだろう。だから、私はずっと長い間、自分は老け顔だと思ってきた。それが、何時の間にか若く見られるようになっていて、自分でも驚いている。
若い頃に老けて見られると、年を取ってから若く見えるというのは、本当だったのかと思う。私は若く見られてトクした事もないし、老けて見られてトクした事もない。いくつに見えたっていいではないか。それがどうしたっていうんだ!


4月16日(金) 笑うせーるすまん 日付で選ぶ

会社から帰宅して、久しぶりで白髪を抜いていたら、トントンとドアを叩く音。ジロが飛び出して行った。(犬ではない、息子である)
「こんにちは、奥さん」・・・私は奥さんじゃないのだが。
玄関に作業着のような青いジャンバーを着た男が立っている。
「いや〜、ふひゃっ、私は昨日からこちらを廻らせて頂いているんですよ〜。ふひゃっ、田舎もんでしてね〜、この辺の事は何も判らないものですから〜。ふひゃっ、色々お聞きしながらね〜ふひゃっ、やらせて頂いているんです〜」
ふひゃっと云うのは青ジャン氏の笑い声である。必ずふひゃっ、とやってから話し出す。彼はセールスマンだった。
青ジャン氏は長野出身で、長男だ。昭和36年生まれの丑年で、とても気の強い奥さんは昭和42年生まれで1歳10ヶ月になる子供がいる。彼の田舎の家はトイレが外にあるので、夜中に奥さんに起こされ懐中電灯を持ってついて行ってあげる。今は単身赴任でこちらへ来ており、田舎に残して来た妻子を早くこちらへ呼びたいのでアパートを探してる。(今は奥さんが夜中にひとりでトイレに行かなければならないので大変困っているそうな)
彼はかつてオリンピックの選手にあと一歩と言うところで選ばれなかったスキー選手で、ばついちである。今の奥さんとの間に出来た子が初めての子で、アトピーがあるので病院へ通っている。
というような事を青ジャン氏が帰るまでの小一時間の間に知った。
セールスマンの中には、時々こういう人がいる。自分の家庭環境から学生時代の思い出、過去の一番自慢できる話などをとうとうと喋りまくる。どこまでホントのことやら判らないが、こちらとしては「はあ〜、そうですか」と相槌を打つくらいの対応しかできない。初対面の相手の家庭の話など聞きたくもないのだが、売りこみを断わるのとは違って「お宅の家庭の事情など知りたくもありません」とは、なかなか云えない。
青ジャン氏は今までは工場勤務だったのでセールスは勝手がわからないと云っていたが、なかなかどうして自分が昨日一日でどれだけ売上げたのかをさりげなく話の中に織り込んだり、長々と家庭の話などをしてこちらの気を緩めるなど、テクニシャンである。そして、オバハン相手には決り文句の「お若いですね〜」も忘れなかったじゃないですか。
だけどね、こちらも10年専業主婦をしたことがあるので、そうした売りこみを断わるテクニックを身につけているんですよ。相手をした私も疲れたが、ふひゃっ、ふひゃっを連発していた青ジャン氏もさぞ疲れたことだろう。


4月15日(木) 腹の虫U 日付で選ぶ

始めにお断りしておくが、これから書くことは、お食事中の人にはあまり薦められない。

今のぎょう虫卵検査はセロハンのようなものをぺたっと肛門に貼りつけるだけだが、昔は検便と云って自分の便をプラスチックケースに入れて(私はマッチ箱の世代ではない)学校へ持って行く事になっていた。我が家は汲み取り式のいわゆるぼっとん便所だったので便を取るのは大変だった。まず、新聞紙を便器の上に敷き、そこへしゃがんで致すのである。時には出ない事だってある。今だから白状すると、便所で30分以上粘っても出ないので、仕方なく姉か誰かのを分けてもらって学校へ持っていった事もあった。忘れると学校でやらされるんだぞ〜と姉たちに脅かされていたので検便の日に忘れることなど出来なかったのだ。
昔は、ぎょう虫卵検査で虫がいるのが判ると、虫くだしにチョコレートそっくりな薬を飲んだ(食べると云ったほうが正しい)。私の姉ふたりは、どういう訳かよく、ぎょう虫卵検査に引っかかった。あの薬が欲しくて、わざとそこらで拾い食いでもしていたのではないかと思うほど、年中、虫くだしのチョコレートを食べていた。ちょっとちょうだい、と云っても姉たちは薬なんだからダメ〜と云って、わざと旨そうに食べるので悔しかった。
私もある年のぎょう虫卵検査でやっと虫が出た。検査結果の紙を振り回しながら家に帰って母に報告をした。
「おかあちゃん、虫が出たって!」
それじゃあハイ、と渡されたのは、ごく普通の錠剤だった。
「え〜、チョコレートじゃないの〜」
その薬はもう使われなくなっていた。一度でいいから、食べてみたかった。

今朝も息子に起こされる。
「お母さん、7時半だよ」
「んん〜、判った判った今、起きるよう」
「今日はジロのぎょう虫卵検査があるんだから起きなきゃだめだよ」
そうだった。はしっと起きあがり、階段を降りる。
「おはよう、ジロ。おケツ出して」
「わかったっ!」
ジロはなぜか嬉しそうにおケツを丸出しにして私に向ける。
「いくわよ〜」・・・気合いを入れるほどのものではないが。
ジロのお尻にぎょう虫卵検査のセロハンを張りつける。ぺりっ、一丁あがり〜。
寝起き早々、息子のケツの穴を思いっきり間近で見てしまった。ちなみにジロは過去4回のぎょう虫卵検査で2度クロになった奴である。・・・てことは、ひょっとして私やタロも虫を飼っているのだろうか?
やはり私の腹には何かデカイやつが居るのかも知れない。


4月14日(水) 腹の虫 日付で選ぶ

私は食後や横になった時に、なぜかやたらと腹が鳴る。ぎゅるぎゅる〜、くくぅ〜と結構でかい音がする。人と一緒に食事をした時などは、ばつの悪い思いをする。わりと親しい人には「もっと食べれば?」と云われるし、それほど親しくない人は聞こえなかったふりをしつつ、まだ食い足りないのか?という顔をする。その都度いい訳をする自分が何やら惨めである。
実は、それにも増してひどいのが、空腹時の腹の音である。地響きのような音である。んごごごごォ〜、ぐごご〜。これが10分くらい間欠的に続くのだ。一度鳴り始めてしまうと、もうどうにも止まらない状態である。仕事中に鳴り始めると(会社は水を打ったように静かなのだ)腹に力を入れてみたり、うぉほん!えへん、えへん!と空咳をしたりして誤魔化そうと一応は虚しい努力をする。
子供たちは「お母さんはお腹にでっかい虫を飼っているのよ」と云う私の言葉を最近まで信じていたのである。(なにやら、ものすごいモノを想像していたらしい)


4月13日(火) 親の血 日付で選ぶ

長男タロも6年生になったので、少し勉強の方を頑張ってもらわなければならない。我が家の家計では私立の学校へやる余裕などないのだから。
「・・・タロ、こんな事も忘れちゃったの?」
「だってお母さんに似て、ボケが入っちゃってるんだもん」
「お母さんのは年のせいです。大体、お母さんに似ていたら国語が出来ない訳がないでしょ」私の唯一の得意学科だったのだからして。
「国語ができないのはお父さんに似たの。で、算数ができないのはお父さんとお母さん両方に似たの」
ぐうの音もでましぇ〜ん。


4月12日(月) 教材売りこみ撃退法 日付で選ぶ

電話が鳴った。友達からかかってくる予定があったのでナンバーディスプレイをよく確かめずに受話器を取ってしまった。
「タロ君のお母さんですか?」来た。電話の向こうで勢いよくオバハンがしゃべり始めた。
「今年、タロ君は6年生ですよね。6年生にもなりますと、色々とご家庭でのお勉強もなさっているかと思いますが、今何か教材ですとか、お使いになっていらっしゃいますか?」
「はあ、そうですねえ。お宅の教材も辞典が全巻揃ってますし、毎日やるドリルもありますし、それにパソコンでもやってますけど」私は正直に答えた。使っていようといまいと、持っていることは確かだ。
すると、かのオバハン急に慌て始めた。
「ま、パソコン!あら〜、パソコンまで使ってやってらっしゃるんじゃ・・・そうですか、もうこれ以上必要ないですよねえ」
失礼しましたと、電話は切れた。
パソコンと云ったとたんに、勝手に何やら納得して、教材を薦めることを諦めてくれたのだ。ふ〜ん、そうか、そうか。電話の声からすると40代後半か50代。機械オンチの年代だ。パソコンと聞いただけで、恐れをなしたようである。よっぽど凄いことをしていると思ったのか。ゲームをしているだけなのだが。
これはいいことを発見した。これからは教材の売り込みの電話が掛かってきたら
「宅では、パソコンを使って、お勉強をさせていますのよォ〜ほほほ・・・」とでも云うとしよう。
以前、同じような電話があった時には
「甥がK大学付属の中等部に行ってますから、その子が勉強は見てくれていますのよ〜」と返事をして撃退したが、そこまで真っ赤な嘘をつくこともないだろう。云っていて自分で恥ずかしい思いをするのも気分が悪い。


4月11日(日) 嗅覚 日付で選ぶ

タロがりんごを食べたいと云うので皮をむいていた。りんごはひとつしかないので、ジロ(弟)には内緒ね、とふたりで言い合う。 ひどい母もいたものである。
「だけど、こういう時に限って嗅ぎつけてくるんだよね〜」
などと云いながら皮をむいていると、二階でごとん、と音がした。トントンと階段を降りてくる足音。タロが慌てて階段の下に立ちはだかる。
「緊急事態発生!今来ちゃだめ」そんな事を云えばよけい来るのに・・・
「りんごでしょ、りんごでしょ!」ジロが喚いている。
なんでそこまで判るんだ。
「あんたの鼻はこういう時だけは、いいんだよね〜」
「うん!階段の途中でりんごのニオイがした」
ホンマかいな。